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かぐや姫

昔、ある所におじいさんとおばあさんがありました。おじいさんは竹でかごを作り、それを売って暮らしていました。ある日、おじいさんが竹やぶで竹を取っていると、一本の竹がきらきら光っていました。その竹を切ってみると、中から十センチぐらいの女の子が現れました。

おじいさんは喜んで、片手にその小さな女の子を乗せて家へ帰りました。おじいさんとおばあさんには子供が無かったので、二人は女の子にかぐや姫という名前をつけて、大切に育てました。

初めはかごに入れて育てましたが、かぐや姫はどんどん大きくなって、三ヶ月ぐらいで普通の大きさになりました。
そして、何ともいえないほど美しくなりました。かぐや姫を育てるようになってからは、おじいさんが竹やぶへ行ってたけを取っていると、竹の中から金や銀が出てきました。それでおじいさんとおばあさんはたちまち大金持ちになり、御殿のように立派な家を造って住むようになりました。
そのうちに、かぐや姫は大変美しいという評判になりました。それを聞いて、身分の高い人たちが求婚してきました。しかし、かぐや姫が相手にしなかったので、みんな何とかして自分の気持ちを伝えようとしました。でも、かぐや姫は「雷を捕まえてきてくだされば、お目にかかりましょう。」とか、「打たなくても鳴る鼓を持ってきてくだされば、いいご返事ができるでしょう。」などと言って、その人たちに会おうとはしませんでした。男たちはかぐや姫に言われた物を手に入れようとして、ある者は海へ行き、ある者は山へ行って探しましたが、どうしても見つけることができませんでした。

そのうちに、かぐや姫の評判が天皇の耳に入りました。
天皇は「その娘はこの世に二人といない美人だそうだ。会ってみて、本当に美しい娘だったら后にしよう。」と思いになりました。そして、すぐ大勢のお供を連れておじいさんとおばあさんの家へお出掛けになりました。
天皇に呼び出されると、かぐや姫はすぐ姿を見せました。天皇はかぐや姫が非常に美しいので「この娘はわたしの后になるために、ほかの男には近づこうとしなかったのだろう。」とうれしく思われました。それで、「このまま連れて帰って后にしよう。」とおっしゃいました。
すると、かぐや姫は「后にしていただくのはとてもうれしいことなのですが、実は、私は普通の人間ではありません。もうすぐ迎えの者がやって来て、私は天へ帰らなければ鳴りません。」と言いました。
天皇はそれを聞いて、「これはどういうことだろう。空から迎えの者など来るはずがない。多分わたしの求婚を断る口実だろう。」とお思いになりました。けれども、しばらくすると、空から大勢の使者が降りて来ました。そして、かぐや姫を車に乗せ、空へ昇って行ってしまいました。

その後、天皇はかぐや姫がほかに比べるものの無いほど美しかったことを思い出され、恋しくお思いになりましたが、もうどうしようもありませんでした